バンキョーハートフル通信2009/01 万協製薬株式会社 代表取締役 松浦信男 新年あけましておめでとうございます 2009年元旦 皆様におかれましては、穏やかな新年をお迎えのことと思います。 日頃は、万協製薬株式会社に格別のご厚情を賜り、心よりお礼申し上げます。 弊社は、1996年に三重県多気郡多気町に立地以来、今年で、はや13年になります。また神戸からの創業になりますと今年で49周年を迎えます。 当初、1つの工場からスタートした弊社も現在は、3つの工場を多気町にて運営しております。 メディカル・スキンケア・アウトソーシングソリューションサービス(医学的分野の外皮用製品の他社からの受託業)の業種が認知されるにつれ、顧客数が増え、現在は65社、約300品目の製品を製造しております。 ジャンルも多伎に渡っており、医療用医薬品、一般用医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の5ジャンルにて製造を受託しています。 それに合わせて、業績も高成長を続け、昨年は17億円を超える売上、100名の従業員を抱え、自元地域を代表する企業に成長しました。 また昨年は、三重県から二つの企業賞を頂きました。 一つめは「三重県経営品質賞 優秀賞」です。この賞は顧客志向、従業員重視、独自技術の開発、地域貢献に基づいた経営をしている企業に贈られる賞です。弊社は2005年に同賞の奨励賞を受賞しています。2年ぶりの受賞となります。 本年は最高賞である知事賞に向けて、再びチャレンジをおこなっております。 二つめは「男女がいきいきと働いている企業 ベストプラクティス賞」です。この賞は、近年、日本の様々な社会で注目を浴びているワークライフバランス(仕事と家庭の両立バランスよく保てるように、会社が様々な方法で社員をサポートする仕組みのこと)への取り組みを評価頂きました。2007年は同賞の奨励賞を受賞していますので2年連続の受賞となります。 昨年はこの二つの賞をダブルで受賞することが出来ました。 すべて皆様のご愛顧のおかげです。本当に有り難うございます。 こういったことを書くと、「中小企業ごときが、なにを偉そうに!」と思いのかたもおられると思います。しかし、中小企業だからこそ、知名度がないからこそ、弊社は、さまざまな活動を通じて社会への認知度を高めていくべきだと思っています。 また、「中小企業でもここまでできるんだ!」というさまざまなチャレンジを行うことによって、「従業員にやる気」と「地域社会への活気」をもたらしたいと考えています。 三重県の南部(津市以南)は、県北部の工業地帯に比べ産業が沈滞していると言われています。 現在の赤字行政では、今後、国や地方に知己活性化を期待しても効果は薄いのではないでしょうか?それよりむしろ、「社会貢献性のある地域中小企業の存在感」が、コミュニテイ再生につながると私は、考えています。 もともとコミュニテイと言う言葉自体、「自分たちで何とかできる単位」のことを言うのですから、文句を言う前に自分で行動したほうが早いし、効率的であると考えてみては、どうでしょうか? 本年は2冊の本を紹介します。 1冊目は、「日本国増税倒産」 森木亮 著 光文社 刊です。 格差是正のためのやみくもな増税が、日本国を破綻に追い込むというショッキングな内容の警告本です。 現在、アメリカ発の金融恐慌が日本に重大な危機をもたらしていますが、本当の原因は1,000兆を超える国の財政赤字です。 この問題解決のために本書では、①日本政府によるIMF式破産処理 ②消費税の廃止 ③所得税、法人税の引き下げ ④公務員の大幅リストラが必要であるとしています。 著者である森木氏は、財政史家としての独自の視点から解決策を提案しています。 2冊目は、「ドラッカー先生の授業」私を育てた知識創造の実験室ウイリアム・A・コーン 著 ランダムハウス講談社 刊 です。 この本は、クレアモント大学でマネジメントを教えたピーター・ドラッカーの授業の様子を教え子が、書いた物です。ドラッカーはたとえどのような名誉に輝こうとも、教壇に立つ天職を重視しました。 私は、ドラッカーがアメリカの「学問としての経済学」のなかで、あまり重視されていないことが不思議で調べたことがあります。 結果としては、「経済学の論文が、あまり出ていない。」ことが理由でした。 彼は、生前そのことを意識してか、「自分は社会環境学者である。」と言っていました。書物のなかだけの議論ではなく現実を重視した彼が、はみ出してしまったのは、何となく分かる気がします。 学問は直感を嫌います。学問は、実証を好みます。 しかし実証の本当の理由がはたして、そんなに重要でしょうか? カフカが書いた「変身」という小説には、ある朝突然、大きな虫になった主人公が出てきます。 この小説のなかで、主人公は、「なぜ、自分が虫になってしまったのか?」と延々、考え続けます。しかし、読者はそんなことより、「虫になった主人公がどうするか?」に興味を持つはずです。 結局、主人公は、その後1歩も部屋から出ることなく死んでしまいます。 ドラッカーを無視し続けた「現在の経済学」もこの小説に似ていると思いませんか? しかしドラッカー自身は、そのような意見を気にも、留めていないかのように、学生との対話を授業のなかで、生涯続けました。 「教室は、自分が学生から多くを学ぶ場でもある。」と彼は信じていました。 生きている彼から一度でも授業を受けたかった!とこの本を読むと感じられます。ぜひ、ご一読ください。 私は昨年、三重県津市にある三重大学医学部の博士課程に入学しました。 大学を出て20年、もう一度勉強したくなったのです。 これもドラッカーの影響かもしれません。彼の全集はダイヤモンド社で全巻の刊行が、終わりました。これを機会にぜひご一読をお勧めします。ドラッカーは、私の中では、江戸川乱歩、レイモンド・チャンドラーに続く書物での3人目のマニアです。 パナソニック創業者の松下幸之助は生前、講演で「経営はダムのゆとりが必要です。あらゆる組織には、潤沢な富(ダムの水)が備わってこそ様々な困難に耐えられる。」と話しました。 この話を聞いた会場からは質問がありました。 「私達のような中小零細企業は、その水が貯められず毎日のやりくりにも困っているんです。その水をためる方法を教えてください!」と松下氏に答を求めました。 彼は暫く考えた後で「あんさん、それは祈ることですな!」と言ってのけました。 松下氏の「祈り」には2つの意味があります。 まず本当に経営には祈りが必要だと思った。もう一つは、そんなことも自分で考えられない人には経営は無理だろう。ということです。 いくらダムの水のようにお金を貯めようと言っても方法があります。 本来、金が金を生むことはありえません。 しかしながら近年、私達が、「自利」だけのために行った金融投機は、「合法的詐欺罪」です。なぜかというと誰かが得をした分、誰かが必ず損をしているからです。 もちろん生き残るのは「たくさん水を貯めた人」でしょう。しかし何とか生き残って「金の稼ぐ額が、人生の価値ではない!」ことを証明したいものです。 私達の仕事はお金がなければできませんが、さりとて「終着点」では決してないはずです。 「自分の行為が誰かの幸せに繋がることを信じて生きるという、あほくさいより青くさいほうが素晴らしい生き方」を弊社は、今年も全社員で追求していきます。 もし私達が「あほくさい」などと言ったならば、容赦ない激鉄をいただけるようお願いします。あなたのためにちっぽけな私達ですが応援させてください!。 「明るく」元気を出して、素晴らしい一年になりますように!
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