松浦信男アワー

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ハートフル通信

1999年9月号
バンキョーハートフル通信 1999/09
万協製薬株式会社 代表取締役 松浦信男

 拝啓  9月になり朝晩はようやく暑さから解放された今日この頃ですが、お元気でいらっしゃいますか。

 先生はどのような夏を過ごされたのでしょうか。ノストラダムスの予言「1999年7の月に人類が滅亡する。」
というのも無事すぎたようです。トヨタ自動車の小型車のTVCMでこの予言者のポスターをはがすシーンがあり、ニヤリとされた方もいらっしゃるかと思います。
 以前、私は今年が世紀末と、このハートフル通信で書きましたが、その後ある先生から、「世紀末は2000年で21世紀は2001年からではないか?」との指摘をいただきました。そのとおり2001年からが21世紀です。
ですから2000年が世紀末になります。なんとなくややこしいですね。
コンピュータの世界では2000年を1900年と読み違える2000年問題(年号を下2けたで登録しているため)があるそうで、デジタルの世界では今年が世紀末のようです。ノストラダムスなどのこういった予言だけでなく手相、星占いなど私達は自分では贖えない運命というものを心の底で求めているふしがあるように思います。

 私の99年の夏は実母が入院、手術ということがあり、なにかと「家族」というものについて考えさせられた夏でした。
会社の経営者として仕事をするぶんには、100パーセント近く自分の意志を行動に反映させ人を動かすことができますが、家族はそういうわけにはいきません。兄弟もいい年になりそれぞれの生活環境も違います。私は最初その違いからくるトラブルにいらだちを感じることがありました。しかしながらその日々が過ぎて行くにつれて「家族というものは、だめな
ところもあっていいんだな。それを許せるから家族なんだな。」と思えるようになりました。
 震災以来、季節を忘れ、ふるさとを忘れただひたすら会社と工場の再建だけを追い続けてきた私にとって、この体験はかけがえのないものになりました。
 仕事は甘えや妥協は許されませんし完璧を目指すのがプロフェッショナルだと私は思います。しかしながらまだまだ復興中の万協製薬株式会社です。思い通りにいかないことがたくさんあり、そのたび私はまわりにつらくあたっていたことを反省しました。
 人の器量は許すこと(自らを含めて)にあるようだと思います。
 一流の人間が一流の仕事をすることより二流の人間が一流を目指すことのほうが中小企業らしくていいんだなと今は少し気持ちを楽に思うようにしています。

 さて大衆薬を製造しているメーカーはどこでも季節商品をかかえています。私共は主として外用薬をつくっているのですが、これが季節によって出る品目が違います。たいてい冬の商品を夏につくり夏の商品を春に作るということをしています。
いろいろあった今年の夏ですが、弊社はずっと新製品の「ウレアルファ」を作っていました。9月発売だったのですが、なぜかニッポーニュース8月号に掲載されたため、納入が遅れたことをお詫びいたします。この商品はよく「尿素クリームですか?」と聞かれ、その次には「尿素クリームは現在20パーセント配合が主流だよ。」という話になるのですが、この
ウレアルファはそういった「尿素単味クリーム」ではなく、「尿素が入ったかゆみ止めクリーム」とお考えください。
ですから対抗品としてはロートAD、ムヒソフト、ウレパールプラスクリームなどになります。言い方をかえれば「次世代の尿素クリーム」ともいえます。
 その理由としては、尿素だけの処方では冬場に硬く角化した皮膚を、やわらかくすることには有効ですが、逆にいうとそれだけにしか使えません。水虫薬が単味成分から複合成分に変わってきたのは単味成分では十分「かゆみ」をとることができないからです。
 皮膚病はたいていが「かゆみ」をともない、そうしてかきこわすことにより、症状が悪化します。ウレアルファは冬場に起こる、かさかさした全身の肌におこる「かゆみ」をとる薬です。部屋の空気が乾燥しがちなこれからの季節に必ずお役に立つ薬です。
 また冬だけでなく最近ではエアコンの発達により年中空気が乾燥しています。本来人間の肌は汗をかくことによって自然の保湿成分を出しているのですが、それが今は人工的な環境によって失われています。アトピー性皮膚炎などの現代病もこのような生活環境のせいではないかと考えられています。人間の肌はNMFと呼ばれる細胞間保水成分によってうるおいを保っています。これが崩れると肌はかさかさになり皮膚病の原因になります。
 尿素製剤の効能は、肌あれ、角化症、乾皮症などですが、ウレアルファの効能は「かゆみをともなう乾燥性皮膚(老人・成人の乾皮症、小児の乾燥性皮膚)」つまりカサカサとかゆみの両方に効くわけです。そういったタイプの薬であることから従来の尿素クリームのように「かさかさ」したところにぬるだけでなくお風呂上がりに全身にぬっていただけるマッサージクリームとして使えるさらっとした使用感になっています。ぜひ手にとって確認下さい。肌に清涼感をもたらすために「dーカンフル」を配合していますが、塗って20秒ほどでにおいは消えますので、匂いを気にされる方にも安心してお奨め下さい。

  このウレアルファは従来のクリーム剤より肌への浸透を高める新成分「セバシン酸ジエチル」を配合していますので少量で効果があります。また、こういった広口瓶の容器は外気にさらされることが、多いのでクリーム基剤も新開発しました。
クリーム剤はよく温度に弱いと言われがちですが「ウレアルファ」は50度を超えてもクリームが変質することはありません。
ただ、尿素は蒸発しやすいので使用後はかならず蓋をしめていただくようにお客様にお話下さい。全く同じ内容の大塚製薬の「ウレパールプラスクリーム」が1,600円の売価であることを考えると今回のニッポーニュースの最大品増しで367円/個の納入価は大変安価といえます。今回この製品を奉仕品にしましたのは、こういった商品はお店の立地によって設定価格が違うと思うからです。ですから、販売価格は約1600円から780円くらいまでお店のスタイルに合わせて自由に設定下さい。パッケージも明快で分かりやすくしています。中の容器も高級感のある素材を使用しました。
この容器だけで70グラムくらいの重さがありますので実際、150g位入っているような気がしますよ。
加えて製造原価で1個100円の箱入りサンプルが最低条件でも20個ついてきます。ぜひお手にとってください。
お客様に薦めていただければかならず販売できます!自信をもって販売ください。
「ウレアルファ」は現在の万協製薬株式会社の全精力をこめた自信作です。ぜひお取り扱いください。お願いいたします。

 余談になりますが、99年4月に薬事法が改正になり、医薬品でも作用の緩和なものは医薬部外品にして薬局以外の一般店舗でも販売できるようになりました。この例としてはドリンク剤が有名ですがそのなかに皮膚病薬も入っています。
尿素も10パーセント配合品は医薬部外品になりました。ですから今後は大手化粧品メーカーから尿素クリームが安価な価格設定で発売されてくるものと考えられ尿素クリームが薬局の専売品でなくなる日も近いと思います。しかしながらそのなかで「かゆみ止め成分配合」のものは従来どおり医薬品として薬局でしか販売はできません。ですから薬局は今後差別化できる医薬品ならではの商品を販売していくことがより大事であると思います。
 皆様のおかげをもちまして毎日つつがなく暮らせておりますことに感謝いたします
 

ウレアルファの効きめとはたらき 学術編  万協製薬株式会社

1.アトピー性皮膚炎とのかかわり

アトピー性皮膚炎はアトピー素因のある人に発症の引き金が加わり最終的に皮膚に湿疹という炎症を繰り返す病気です。
アトピー素因はアレルギーを起こしやすい素因とドライスキンに基づく皮膚のバリア障害という2つの原因があります。
小児の場合アトピックスキンと呼ばれるように皮膚が乾燥しやすい特徴があり表皮外側の角質の水分減少が原因とされています。本来、角質はラップのように体をくるみ水分を保持して微生物、細菌の進入を防ぎますがこの角質がスカスカになることによりさまざまな刺激に敏感になりこれが痒みを引き起こしていきます。つまり車でいうと衝撃をやわらげるショックアブソーバーがへたっていて地面のデコボコを拾いやすくなるように、角質のしたにある知覚神経が水分の減少により乾いたスポンジのようになり刺激されやすくなっているといえます。
 ドライスキンでは角質の水分が減りますが特にアトピー性皮膚炎ではセラミドという角質細胞間脂質も少なくなっています。
そのためダニ、塵、などの進入が容易になり痒みがおこりやすくなります。いったん痒みがおこるとかきこわすことによってさらに角質バリアが壊れることによりますます痒くなっていきます。かきこわしの引き金はウールなどの刺激の多い肌着、飲酒や香辛料の摂取、入浴による皮膚温の上昇、発汗やストレスなどです。痒みとかきこわしの悪循環を繰り返し最終的にはアレルギーとは直接関係ない原因で慢性に湿疹を繰り返すわけです。かきこわしだけで全てを語ることは無理がありますが、乳幼児のおむつ部分には湿疹がないとか成人でも患部をおおうと湿疹が改善する例もあり、いかに痒みをとることが重要かと
言うことが解ります。ですから、ウレアルファは天然保湿因子(NMF)の構成成分である尿素によって角質にうるおいをもたらすのと同時に敏感になった知覚神経の痒みを4つの成分で抑えます。ステロイド軟膏の多用は、副作用をともないます。
ぜひ、ウレアルファで治療ください。

2.高齢者のドライスキン

「老化は乾燥への過程」ともいわれるように加齢によって皮膚は乾燥傾向に傾きます。ドライスキンとも呼ばれる乾燥皮膚は表皮最外層にある角質中の水分量減少の結果です。
 角質の水分は発汗や大気中の湿気に依存するため、外気が乾燥する冬季やエアコンや暖房による低湿住環境ではドライスキンになりやすくなります。理想的な皮膚と考えられる20代女性の角質水分量を測定したデータでは秋~冬にかけては夏の5分の1程度に減少しています。このことからいかに角質水分量の季節変動が大きいか、また保湿能力の
低下した高齢者においてはさらに影響が大きいかが、解ります。また住環境では、特に緑の少ない大都市において湿度が年々低下しており東京ではこの50年間に10パーセントも減少しています。また、1970年代からのアルミサッシの普及に伴う密閉化が加速されたことで一層の低湿環境が助長されました。すきま風の多い和室住宅が密閉性の高い住宅に変わったことで暖房もコタツ、火鉢などの局所暖房からエアコン、ストーブなどの部屋暖房に変わりさらに低湿化が進んだと考えられます。若年層でも通年エアコン化された職場環境などによりドライスキンが増加しています。
ナイロンの肌着や靴下の着用もドライスキンを助長します。逆に大量の水分が供給される入浴後はどんなドライスキンの方でも一時的に症状は改善します。しかし、30分程で再び水分は喪失し元のドライスキンに戻ってしまいます。
つまりドライスキンの本体は、角質水分を保持する能力がなくなることに原因があります。この保湿能力は主として皮脂腺から分泌される皮脂量、表皮細胞が生み出すセラミド(角質細胞間脂質量)アミノ酸を中心とする天然保湿因子(NMF)によって決定されます。その中で皮脂分泌は性ホルモンに依存するため女性は40代から男性では50代から皮脂分泌量は減少します。主婦湿疹に代表される乾燥性湿疹が手に多く出来る理由も皮脂腺がないために皮脂が不足して起こると考えられます。青春期に多いニキビは逆にこの皮脂分泌が多いために起こります。セラミドも加齢によって減る傾向があるため中年以降は誰でもドライスキン(乾燥性皮膚)になりやすいのです。
 
 3.ドライスキン(乾燥性皮膚)のケア

ドライスキンになると皮膚本来の生理機能の一つである皮膚バリア機能が阻害されるため表皮からの水分拡散量が増加するだけでなくかゆみの知覚神経が表皮内に進入するので通常より物理・化学的刺激に過敏となり温度変化や衣服の刺激などに敏感に反応するようになります。加えて生活環境の低湿化(エアコン、過度の暖房、コタツ、電気毛布など)過度の入浴と石鹸の頻回使用、タオルで擦るなどの間違った生活習慣とスキンケアが高齢者のドライスキンを助長しています。
ですから正しいスキンケアを行うことでドライスキンを治療すべきです。住環境を加湿し、過度の入浴やタオルによる摩擦を避け、熱い湯に長時間入浴したりイオウ入りの入浴剤などで脱脂させないようにしなければいけません。
「ウレアルファ」を入浴後に塗布することは大変有効です。べたつかない使用感はどなたにも愛されることと思います。
この際、入浴後15分以内の皮膚が十分に湿潤しているうちに使用するのが効果的です。ドライスキンにはローションや乳液よりクリームタイプのほうが長時間作用します。(水分は蒸発してしまうため。)
  


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